2010-05-01から1ヶ月間の記事一覧

近くて遠い廃人たち 『アバター』

ヒロインの造形的な一貫性に引っかかりがあって、ネトゲ廃人賛歌として素直に受け取れない面がある。恋に落ちるのはエンタメの作法として割り切れるし、粗暴な婚約者が敗北する点でも、「嗚呼タイタニックか」といった自虐の悦びに絶えない。しかし彼女が廃…

道徳と戦う因果コード 『母なる証明』

この映画はドキュメンタリズムの映像コードをいわばイベント絵として割り切って使っていると考えます。たとえばウォンビンを乗せた警察車両が事故る件。わたしはあの場面で、クリス・クーパーが自動車事故に巻き込まれるカットをドキュメンタリズムで処理し…

『耳をすませば』でワナビ脳と恋愛の希少性を考える

恋愛に自分の希少性を見て安寧を獲得する戦略は、排他的であるがゆえに脆弱である。当事者でない限り、ノロケ話から希少性の実感を引き出すのはむつかしい。ワナビ脳に比べれば社会的な担保に欠けると思われる。 既述であるが、普段の生活において恋愛とワナ…