2014-04-01から1ヶ月間の記事一覧

今度は意味がある 『刑事追う!』と『藁の楯』

もともと、扇沢延男脚本を目当てに『刑事追う!』を見始めたのだが、その扇沢脚本の初回が4話目の「陰画」である。前にあらすじを紹介した。次のような陰惨なはなし。 男の妻はふたりの娘を残して夭折していて、その娘のひとりも強姦殺人の被害者となり、こ…

届け電波 『ほしのこえ』と『秒速5センチメートル』

『秒速』のOne more time, One more chance は、その詩の明確さゆえに、キャラクターの心理に強固な拘束を課すことになる。タカキ君、明里、花苗、三者三様の心理がそこでモンタージュ展開されるのだが、この三人を包括するには、詩がタカキ君の心理に寄り過…

わたしたちはズリネタではない 『秒速5センチメートル』

雪中の両毛線に閉じ込められてしまったタカキ君。明里との約束の時間はとうに過ぎてしまった。タカキ君は焦燥する。その吐露の内容がまことに彼らしい。 「あかり、どうか...」 この場面を見ていたわたしは、「待っていてくれ」という願望の台詞が後つづくも…

スペルマ・タイド・ライジング 「コスモナウト」『秒速5センチメートル』

あのH-IIの打ち上げ場面をイメージだと誤解する人がいるらしい*1。「コスモナウト」は宇宙開発とは関連のない青春恋愛劇である。そこに、1分弱8cutを費やしてロケットの打ち上げを挟み込むのだから、場面が本筋から浮きかねず、カテゴリーエラーと採られても…