2016-05-31から1日間の記事一覧

小説 仙太郎 第三回

仙太郎が新橋の高架下を潜ろうとすると、その向こうに旧知の姿を認めた。詩人のナカムラ秀峰である。昨日の徹宵の飲で消耗著しかった仙太郎だったが、迎え酒のつもりで、半ば蛮勇を振るって、秀峰を風月に連れ込んだのだった。 「どうだ。もうそろそろ書けそ…