2017-01-01から1ヶ月間の記事一覧
美女が感染して物語の課題の担い手となっても共感を呼び難いのである。美女の視点から物語を切り取られても状況を理解しようがない。われわれ物語の受け手が美女ではないからである。事件が惹起すべき、その人の性質に因るような課題が美女には生得的に欠け…
マンガが最高という咆哮からわかるように、常に業界人の自意識が滞留している。課題は雄らしさという性愛にまつわるものだが、片瀬那奈とすでに家庭が営まれている設定がその課題を弱くしている。猟銃というのも造形に合わないから唐突の感があり、自意識が…
劇中の人物の行動に不審がある。これが合理化されるのは受け手にとってたいへんなよろこびだ。しかし事情が明らかになっても、受け手がそれまでに不審を覚え続けたという事実と経験は変わらない。すでに過ぎ去ったことなので、取り返しのつきようがない。し…
本作('15)と『BRAVE HEARTS 海猿』('12)と『シン・ゴジラ』('16)を震災トリロジーと呼んでいいだろう。ともに震災に感化された公務員賛歌である。他方で、全くの偶然ながらこれらの間には『新幹線大爆破』の影が見え隠れする。 『海猿』と『天空の蜂』はパニ…