2018-01-01から1ヶ月間の記事一覧

『四月は君の嘘』

あくまで山崎賢人が事件を目撃する体裁は保たれるべきで、広瀬すずは観察対象であらねばならない。すずは隠し事をしていて、その発覚がオチとなるからだ。しかし男の視点であるならば、当然、彼の抱えている課題に物語は傾注する訳で、すずは課題解決の踏み…

高慢を超えて 『踊らん哉』

失恋をした男の顔を如実にトレスすることで『秒速』のタカキが嫌な共感をもたらすように、男の好意を察知した女の顔を忠実にトレスすることで『言の葉の庭』のユキノがこれもまた嫌な共感を喚起する*1。御苑のベンチでタカオの好意を悟った彼女は、自らの優…

匿名の観察者 『一週間フレンズ。』

設定の受容について語り手と受け手の間にすれ違いがある。おそらく語り手は解離性健忘を主題として軽視している。しかし、受け手としてはそれこそが叙述されるべきものと認識している。このすれ違いで設定の受容に困難が来す。とにかく不自然なのだ。こうい…