2021-11-01から1ヶ月間の記事一覧

笠原藤七「二月十八日の悲劇」『あしなか』、1967年 104巻 3号、pp.5-7

新潟の旧中蒲原郡には山に入った男たちが雪崩に巻き込まれた話が伝わる。場所は村松町の門原。一行の人数は五、六名前後。日付は二月十八日。大別して二バージョンがある。「バカナデ(雪崩)」と「熊狩り」である。 二月十八日。男が仏へお供えをした後に4…

『るろうに剣心 最終章 The Beginning』(2021)

正調の時代劇に近づくとかえってコスプレ劇の血が騒ぎだすのか、やってることは『翔んだカップル』と変わらない。路上で失神した巴など打ち捨てておけばよいものを、やはり性欲に抗えず拾ってしまい押しかけ女房される剣心。怪我にハンカチイベント。部屋に…

テッド・チャン『商人と錬金術師の門』

ウロボロス物である。男は“歳月の門”をくぐり、未来の自分から財宝を盗む。男は財宝の力で意中の娘と結婚するも、娘は誘拐され盗んできた財産は身代金に消える。ふたりは一から財産を貯め直すのだった。過去の自分に盗ませるために。 ウロボロスではあるが、…

『るろうに剣心 最終章 The Final』(2021)

前回の求婚を受けて、冒頭から剣心を意識しまくりな薫殿であったが、薫殿が嫌いなわたしにとってはこれが実に悩ましい。かわゆいのである。剣心の方は昔の女を思い出してしまって、薫殿は放置される。これはよい兆候だ。捨て置かれた薫殿はヒートアップする…