2021-09-01から1ヶ月間の記事一覧
個々人に近代の心性が芽生えるプロセスに着目した90年代の伊丹作品に対し、本作は近代をより文芸的に捕捉しようとする。近代に至ると人はどんな気分になるのか? 近代を美意識として捕捉していた60年代の作者の気分を引きずるのである。宮本信子が山﨑努らと…
戦記物の定石をまず外してくる。新卒士官がベテラン下士官にドヤされるのが通例であるが、本作では逆になる。 アフガン南部にマリーンの Firebase がある。そこに駐留する security platoon の小隊長が盲腸を患った。代役でやってきたのがクルツ大尉である。…
人間の正当化の力を思い知らされるのである。薬師丸が今後家事はやらぬと宣言する。ところが、すでに部屋は雑然としていて違和感を覚えたのだ。が、薬師丸が旅行に出ていた設定に促され、部屋の散らかりを合理化してしまった。帰宅してまた旅に出る彼女に不…
オッサンにせよヒロインにせよ、移入の難しい人々である。オッサンは頭の薄いメタボのハンドラーで、20も歳の違うの新人エージェントに惚れてしまう。オッサンもバカではない。脈がないのはわかってる。わかっていながらも自分に対する好意の兆候を探しては…