2022-12-01から1ヶ月間の記事一覧

倫理感の水準

冒頭がみちろう視点なのは少々イレギュラーであり、郷介に好意的なみちろうにも違和感がある(「その10ヤングメモリー」『えの素』)。父の卒業アルバムに若き郷介を見出した彼はその外貌を賞賛しつつ、現在の弛んだ郷介に激怒し、その肉体改造を試みる。明…

『流浪の月』(2022)

男運がつくづく悪いのか、それとも不幸を招く力に取り付かれたのか。広瀬すずは未成熟な男、横浜流星に捕まってしまったのだが、松坂桃李に共感してしまうと広瀬は女難と化す。松坂の幸福を案じるのならそっとしておくのが妥当であり、カフェに入り浸るべき…

志麻、心のむこうに

岩下志麻の極妻のなかでは五作目の新極妻が最も取っ付きやすいのではなかろうか。入門編には最適だと思う。一作目は極妻というより五社英雄の怪奇映画である。岩下復帰の四作目で事態を動かすのはかたせ梨乃であり、岩下は事態を傍観するばかりである。 新極…

「第45回 八幡宮の階段」『鎌倉殿の13人』

考えてみれば妙な感じがする。立ち去る平六が衿を触り、小四郎を失意のどん底に追いやる件である。平六の裏切り性格は周知であり、しかも平六は小四郎に憎悪を隠さなくなっている。今さら平六の真意を知ったところで、それは量的な驚きであり質的なものには…

境涯の重さ DQIII(FC)について

十数年間隔でDQIII(FC)をプレイしていると、アレフガルドの難易度が上がってしまう奇妙な現象に出くわしてしまう。たとえば、ようせいのふえの位置がわからなくなる。もしDQIの知識があれば、マイラ温泉の南4歩目はDQIIのあまのつゆいとに類する有名な話であ…