メモ

AIは物語のテクストを問題解決の経過報告書として捉えたがる (Ryan[1991=2006])。


まず動作主には意図があり、目標はいくつかの副次的目標へと解体される。発話などの行動の継起はその目標に達すべく実施され調整された計画の過程で産まれる。


ナラトロジーは物語の文節を可能にする演算子を話題にして、環境のモニターや行動の調整を扱うAIの工学的な表現を置き換えたりする。


たとえばプロットの進展は物語で実現に至らなかった多様な可能性に規整される。物語文節の全体は義務・条件・予見・願望といった演算子のひとつによって調整されてあらわれる (Todorov[1969])。


Ryan, M. 1991 Possible Worlds, Artificial Intelligence, and Narrative Theory. Indiana University Press = 2006 岩松正洋訳 『可能世界・人工知能・物語理論』, 水声社
Todorov, T. 1969 Grammaire du Décaméron. The Hague: Mouton