藤枝静男 『空気頭』 [1967]

田紳有楽・空気頭 (講談社文芸文庫)
 ガジェットと風景の解像度そのものが日常の面貌にプロジェクトを進行するような機能性を与えた、というより、解像度の濃淡の配向で機能性が表白した、ということであり、ジャンル小説から私小説の解像度へ唐突に投げ出されるような作劇の極端な離断は、機能的に価値のある領域を受益するために設定されたのか。帰還兵が日常を戦場にする系譜と何か似てる。