魔法の伝声管 『ラピュタ』

パズーを連れて行くとき、わざわざ「娘が言うこと聞くかも」とドーラに言わせたり、その後ドーラの頭にレンガをぶつけてパズーに借りを作らせたりと、『カリオストロ』に比べると『ラピュタ』はシーンの接続に気をやりたがる。要塞で人死にが出ないのは「人がゴミのようだ」の鬼畜度を高めるため。



見張り台でのろけ話されても退屈だが、会話が筒抜けだとうれしはずかし感が出る。しかも、「ドーラ=ツンデレ説」をシータに言わせて、今度は恥辱感がドーラ側に逆流する。ゴリアテに襲われると、伝声管を有線へ切り替える描写で森ガールでないシータを見せる。伝声管というガジェットひとつでドーラとシータの造形的な奥行きが広がってゆく。