2007-08-01から1ヶ月間の記事一覧

オースン・スコット・カード 『無伴奏ソナタ』 Unaccompanied Sonata [1979]

定常した社会のありさまについて、ふたつの見解があって、この仕組みが今日まで生き残ったのは何らかの有効性があったためであり、したがって意味を見出したい、という考えもあれば、それは束縛であり現状の肯定に過ぎない、というのもある。 クリスの幼少教…

School Days

伊藤誠という青年は不思議な人で、次々と娘を猛り狂わせゆくその凶悪な色魔の性質について、特に理由が付されたりはしない。 いや、これはもともとエロゲであるから、愛に理由はないのである、というのであれば、まだ理解はできるし不可思議だという程のこと…

グレッグ・イーガン 『ひとりっ子』  Singleton [2002]

われわれがエロゲーの分岐に戸惑うのは、パラレルにお話を把握することができないからだ*1。たとえば、自閉気味の天才少女をたらし込んだ人生と、パン屋の娘をたらし込んだ人生が、何のいい訳もなく陳列されるのだが、リニアにしか物事を捉えられないわれわ…