2008-08-01から1ヶ月間の記事一覧

サリンジャー 『フラニーとゾーイー』 Franny and Zooey [1961]

先取りされた自己監視の形状に厚みと輪郭を加えて、死者から発せられた曖昧な示唆を可視的にしてやる。感傷を誘うのは、その訓致が一定の精度をともなって登記されていたことのメルヘンなのである。だから具体的な作劇の問題としては、この可視性のバリエー…

CROSS†CHANNEL [2003]

人格発見のイヤらしさには自覚がある。だから簡潔な照れ隠しとして自虐をしたい。あるいはイベントの歩留まりを上げて、人格の発見が舞台の蓋然性の確保であるようなスリラーを見出したい。これが物語の運用上の最初の階梯だ。 2つ目の課題は、行動の信憑性…

CROSS†CHANNEL

いいねえ、曜子イイぢゃないか。

今週のThe Economistに島耕作さんが

島耕作は社内政治を軽蔑する若々しき能力主義者だ。かような人物が実際に現れるには、日本の労働市場をなんたらかんたら…… Business in Japan | Take a leaf out of his book | Economist.com DaaBoomさんのコメント 奴は60間近だぞ、どこがわけえんだよ。し…

ツンデレには造形の成熟に応じた励起の仕方がある

デレる予感で負債の担保を設定する少女の排他的態度は愛の先物取引だ。対して、常に思い返され、過去へと遡及して掘り出される好意もある。伊織の愛は今ここに発覚せねばならぬが、造形の成熟がツンツンという態度を許容しなくなると、愛の知覚が造形の信憑…