2012-01-01から1ヶ月間の記事一覧

韜晦した自意識の中心で父権は孤立する 『僕は友達が少ない』

キャラクターの一貫しない言動は、受け手のいら立ちを誘いかねない。われわれは小鷹を憎む。リア充を謳歌するにもかかわらず、殊更にフラストレーションをためてみせるこやつを憎んでしまう。われわれはまた、語り手の自意識もそこで疑っている。あくまで強…

世界観の正当性をめぐる自意識の戦場 『相棒 劇場版II 警視庁占拠!特命係の一番長い夜』

物語は、キャラクターの世界観や価値観を試すことで、かれらの人生の動機を顕在化させ、かれらの佇まいを観察に価するものへと昇華しますが、規範意識という社会性のバックアップは、しばしば、この企てを妨害します。たとえ災難が発生したとしても、キャラ…