2008-04-26から1日間の記事一覧

広津和郎 『巷の歴史』 [1940]

造形の配分序列をプロットの連結規則に依存させる文芸的な余地は、いちおう認めてもよい。たとえば、情のある浮気者という整合性の危うさは、愛の広汎性と取引できるだろう。他方で、プロジェクト描画に対する社会的検証の不在は、物語のプロトコルを積極的…