桜庭一樹 『砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない』 [2004]

砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない (富士見ミステリー文庫)
加圧しないと作動しない女性の友情に事件を利用するのは方法論的に正しい。また、兄貴の引きこもりにしたって、立ち直って自衛隊では余りにも中学の道徳教材すぎから、プロット自体は仕方ないにしても、その過程で高慢な兄貴が可憐な萌え少年に変貌して受け手の母性愛をいたずらに刺戟するような、いわばベタにベタを重ねるような勢いも好ましい。