一幕物の喜劇である。
地主の未亡人が良人の死を悼むあまり引き籠っている。もう一生外に出ない、誰にも会わないという。そこに闖入者が現れる。男は亡夫の知人である。夫は男に借金をしていて、その返済を求めて彼は訪ねてきたのだった。
女は不快である。自分の平和を乱されたことに苛立つ。男の方も苛立っている。彼もまた借金に追われている。翌日返済せねば抵当の土地を取られる。ゆえに今日払えとまくしたてる。
女の反応は冷淡である。今の自分は自ら俗事をやる気分ではない。執事が明後日に街から戻る。それまで待てという。男はとうぜん激昂して罵詈雑言を放つ。すると話題が政治化する。
女は実務が性差を超えようとする現象にたじろぐ。蛮声に慣れていないから暴言はやめてくれと男に求める。それは女に対する振る舞いではないと。対して、男の暴言も女性嫌悪一般の傾向を帯びる。誠実な女など実在しないと罵倒する。
女も負けてはいない。夫は浮気した。しかし自分は生涯貞淑を貫くとやり返す。男は嘲笑する。生きたまま自分を葬ったつもりだが白粉は忘れないと。
この泥仕合はどう解決されるのか。やはり実務が性差を超えるのである。今度は女が主体となって。
男は屈辱の余り決闘を提案する。これぞ男女同権だといきり立つ。
"If she fights, well that’s equality of rights,emancipation, and all that Here the sexes are equal!"
完全に頭に血がのぼった女が受けて立つと、これぞ本物の女だと男は一転して惚れてしまい、求婚。女は「来るな撃ち殺す」と絶叫。男は嬉々として曰く。ならば撃て。貴女の手にかかるのならどんなに幸福か。
"You can’t understand what happiness it would be to die before those beautiful eyes, to be shot by a revolver held in that little, velvet hand...."
女、リボルバーを振り回して、絶叫。
"Let’s go out and fight!"
男は構わず抱擁する。女は恐慌を来す。
"Get away from me! Take your hands away! I hate you! Let’s go and fight!"
そして
A prolonged kiss.
ワイ、ニヤニヤが止まらず。