毎日がお祭り

 散歩中、変なことに気が付いた。散歩ならば早朝すでにやった。帰宅後には二度寝をしたはずである。どうしてまた散歩するのか。そこで、この散歩が夢だと感づく。今まさに二度寝の最中なのだ。
 夢と気づいたからにはやりたい放題である。夢中で様々なことを試みた挙句、目を覚ました。と、思ったのだが、それもまた夢で、散歩の夢を夢の中で見ていたのだった。
 夢の中の夢から覚めた時、それがまだ夢中にもかかわらず、現実と疑わなかった。夢中の夢を夢として自覚したため、それに引きずられ、覚めたのだから現実だろうと思い込んだのである。

 老化は日々をお祭りにする。数か月前、わたしは某人と遭った。それは夢で起こった出来事なのか現実なのか判然としなくなる。
 ショーペンハウアーがいうに、覚醒時に夢を引きずると、後々、記憶が混乱する。夢は現実ではない。しかし、覚醒して今見た夢を回想する行為は現実である。回想されて夢は現実に組み込まれるのだ。